第2章 2人の日常
そろそろだろうかと火を止め、玄関に向かう。今日は遅くなるなどの連絡はきていない。
きっと、いつも通り帰ってくる。
笑顔で"ただいま"と言ってくれるだろう。
扉を開けて入ってきた宗四郎様が閉めるのを見てから、声をかけて抱きつく。
私のこの恋は、ぶつかることなく落ちていく。
捨てているようなものだ。
「ん、ただいま。ええ匂いするな。……カレー?」
「はい。お風呂も準備出来てますが、どちらを先にしますか?」
頭上でほんの少し、息を呑むような音が聞こえた。
何かあったのだろうかと見上げる。
彼の瞳は私を見ているようで、見ていない。
腰に回された手がゆっくり滑って、背骨を撫でる。そのまま背中の上の方までいき、パッと離された。
宗四郎様の顔が"離れて欲しい"と言っているようで、スッと離れた。
ブーツを脱がせて整え、リビングに向かっていく彼を追いかける。
どっちにするんだろう……。
リビングで隊服の上着を脱ぎ、ソファに掛ける彼を見つめる。
筋肉が浮き出るそのインナー姿を見ていられなくて、慌ててパーカーを着せた。
「……紫音……腹減ったから、先に飯食わして」
急いでカレーを盛り付けてテーブルに運ぶ。
幸せそうに私が作ったご飯を食べる彼を見ていると、私はここにいてもいいんだと思えた。