第2章 2人の日常
このマンションで暮らし始めてから数年、宗四郎様とはなんの進展もない。怒られるだろうか……。
だが、彼にその気がないのであれば、私は無理やり進めるようなことはしたくない。
宗四郎様の帰ってくる時間に合わせて夕食を作る。
特に時間が決まっているわけではないが、比較的20時前までには帰ってくる。
「……今日も、ここでは"普通"に過ごしてください」
防衛隊員である彼の、熱く息も詰まるような世界から、ほんの数時間だけ、深呼吸が出来るような場所を――そんなところになれるように。
スパイスの香りが漂う鍋を混ぜた。