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不変の隣【保科宗四郎】

第4章 巡る転換


次の日の朝、準備をして家を出る。
いつも通り基地について、亜白隊長に挨拶をしてから技術班のところへ向かった。

立川基地には、技術スタッフとして関わらせて頂いている。
ほとんど在宅ワークだが……。

スタッフに書類を渡して庁舎に戻り、執務室に向かう。

開いたままの扉をノックして、声をかけた。

「失礼します。宗四郎様、少し休憩って取れますか?」

「紫音?え、来れたん?……少しなら大丈夫や」

休憩室に行くと、今の時間は誰もいなかった。

「甘い物でもどうぞ。あと……帰ってこれなかった時の分です……」

白い箱をテーブルに置いて、ぎゅっと抱きついた。
大好きな香りが鼻腔をくすぐる。
会った瞬間に気持ちが膨れ上がる。

「ありがとう」と言って抱き締め返してくれる宗四郎様が、とてつもなく愛しい。

「好きです。ずっと抑えてたんです。いっぱい言わせてください……好き、大好きです」

好きでもない女にこんな風にされたら、気持ち悪いだろうか。
煩わしいだろうか。

「ふふ、可愛ええな。――僕も好きやよ」

違う"好き"。
それくらいわかっている。

胸に頬を擦り、顔を見上げる。
頬を撫でて見つめ返してきた宗四郎様の顔が、近付いてきた。

今日は逃げなかった。
触れた唇は、柔らかくて……優しかった。

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