第3章 崩壊の前触れ
次の日、宗四郎様を見送って、私は母に連絡をした。
「婚約の話、どうにかなくせないかな?同じ気持ちじゃないと、私は結婚したくない。だから、お願い」
「それは、こちら側だけで出来るものじゃないわ」
私と宗四郎様は出会った時から結婚することが決まっていた。
だが、私が口止めをお願いしたのだ。
宗四郎様には婚約者だってことを言わないようにと。
今までは婚約者だという安全圏で、宗四郎様の心を手に入れようとしてきた。
これからはぬるま湯から上がり、何もない私でぶつかっていく。
宗四郎様はこれまでだってきっと、ああいうことを誰かとしていたんだろう。
私が知らなかっただけ。
責めるつもりはないし、責める権利もない。
母は保科さんたちに話してみると言ってくれた。
私も夜、ちゃんと話そう。