第3章 崩壊の前触れ
隠すってことは、私を"そういう"存在として見てるってことでしょ?
これをつけたのはあなたでしょ?
胸にある赤い花を見つめた。
膝掛けを肩に羽織り、壁に背を預ける。
早く、謝らなきゃ……。
そう思うのに、足が動かなかった。
目を瞑って膝を抱えていると、シャンプーの香りを漂わせた宗四郎様が部屋に入ってくる。
「紫音?……行こ」
抱えられて寝室に来ると、ベッドに降ろされて、宗四郎様も隣に横になる。
頬を撫でられて、顔にかかった髪が後ろに流れていく。
「さっきの……見た?嫌なん?」
「……ごめんなさい。いきなりあんなことして……もうしません」
否定はしないんですね。
"そういうこと"をしてきたんですね。
朝は、その相手を私にしていたくせに。
抱き締められた腕は、なんだか……温度を感じなかった。