第2章 2人の日常
「あれ?」
テーブルの上に宗四郎様のスマホがある。
裏返していたスマホはケースに防衛隊のマークが記されていた。
仕事に行くのに、仕事用のスマホを忘れていくとは……通信機だけでどうにかなるだろうか……。
「ついでだし……」
一度、自身の部屋でPCを起動し、印刷をする。
書類をファイルに入れて封筒を閉じる。
その後に書類ケースに入れた。
着替えてから宗四郎様のスマホを持ち、家を出た。
立川基地に着き、隊長に挨拶をしてから技術班の元へ向かう。
「こちら、どうぞ」
「いつもありがとうございます」
書類を渡しながら少し口頭で説明をしてから、執務室へと足を進めた。
連絡が来ないので、気づいていないのだろうか。
扉が開いている執務室にノックすると、みんなこちらを向く。
小隊長たちに会釈をして、宗四郎様の元へ行く。
「紫音?来るんやったら、一緒に出たらよかったんに……」
「準備出来てなかったので……。宗四郎様、忘れてましたよ」
スマホを差し出すと、「ありがとう」と笑顔を見せるので、私も返した。
視線を感じ、小隊長たちを見ると、首を傾げて見ていて、私も首を傾げた。
「やっぱ、そういう関係なんですか?」
「幼馴染?やけど……」
「疑問形じゃないですか……」と小隊長たちはまた首を傾げる。
"そういう"って、どういうだろう?
よくわからなかったが、宗四郎様に声を掛けて帰った。
宗四郎様はニコニコと手を振っていて、執務室を出るまでずっと、背中に視線を感じていた。