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まだここにいる【サンジ】

第2章 出会い


サンジはその反応を見て、ほんの少しだけ目を細めた。

それ以上は何も言わず、自然に歩き出す。

隣に並ぶ


「送るよ」


決めたことをそのまま言葉にしただけみたいな言い方。

押しつけでもなく、確認でもない。


みかは少しだけ迷って、それから小さく頷く。

並んで歩く。

港の音は相変わらず騒がしいのに、二人の間だけ少しだけ静かだった。

サンジは横目でみかを見る。

肩までの黒髪。

風に揺れるたび、視線が引っかかる。

一瞬だけ息が詰まる。

でもすぐに前を向く。

「おれはサンジ」

ふと思い出したみたいに言う。

「コックやってる」


みかは小さく頷く。


「……みかっていいます」


それだけ。

「そうか、みかちゃん」

みかは特に反応しない。

嫌がることもない。

ただ受け取るだけ。


サンジはまた前を見る。


視線の先にはあの大きな船。

でも今は、なぜかそっちより隣の方が気になっていた。

それだけ。

ただの港の出会い。

ただの偶然。


なのに、なぜか忘れなかった。
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