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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第15章 冬島


部屋の中が静かになる。

聞こえるのは、遠くの鐘の音だけだった。

ルフィが女を見る。

「誰を待ってるんだ?」

女は少し黙る。

ぼやけた顔のまま、ゆっくり口を開いた。


「……わからない」


ウソップが引きつる。

「こわっ!!」


チョッパーも半泣きになる。

「だ、大丈夫なのかこの子……!」


女はベッドの方を見る。

「最初は、来てくれてたの」


壁の人影たちが、小さく揺れる。


「お薬」

「ごはん」

「だいじょうぶ」


いろんな声が混ざる。

でも全部、少しずつ薄れていく。


「でも、だんだん来なくなった」


部屋の空気が重くなる。


ローが静かに周囲を見る。

白い部屋。

隔離されたみたいな作り。

薬瓶。

長く使われた痕跡。


低く呟く。

「……長期昏睡か」


女は続ける。

「起きても、誰もいなかった」


「寝ても、ひとりだった」



その瞬間

壁の人影たちが一斉にこちらを見る。



「ひとり」


みかの胸がまた締め付けられる。



サンジがすぐ肩を抱き寄せた。

「聞きすぎんな」


でも女はみかを見ていた。

まっすぐ。



「あなたも、ひとりだったでしょう?」
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