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まだここにいる【ワンピース サンジ】

第15章 冬島


壁に浮かんだ人影たちは、ゆっくりこちらを向く。

顔はぼやけている。

でも全員、口だけが同じ形に動いた。


「ひとりはいや」


ウソップが悲鳴を上げる。

「増えたァ!!」

チョッパーも涙目で震える。

「む、無理だよこんなの……!」

女は静かにみかを見ていた。

「この子は、分かるの」

みかの胸がまた痛む。

知らない感情なのに、苦しい。


『置いていかないで』


頭の奥で、声が響く。

サンジがみかの顔を見る。

苦しそうな表情に眉を寄せた。

「……チッ」

ローが低く言う。

「共鳴してる」

ルフィが首をかしげる。

「なんでみかなんだ?」

ローは女を睨んだまま答える。

「似た空白を感じたんだろ」

その瞬間。

女の目がわずかに揺れた

「……あなたも」

小さな声。


「ひとりだったでしょう?」


空気が止まる。

みかの頭の中に、一瞬だけ別の景色が流れた。

暗い部屋。

閉まったドア。

遠くの笑い声。


息が詰まる。


サンジがすぐみかを引き寄せた。

「見るなっつってんだろ」

今までより少し強い声だった。

女が悲しそうに笑う。

「やっぱり、同じだ」

廊下の奥の扉が、ゆっくり開く。

ギィ……と重い音。

冷たい風が吹き抜ける。

その奥には、真っ白な部屋があった。


部屋の中央。

小さなベッド。

そして――


そこに、“眠ったままの女”が横たわっていた。
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