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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


もちろん、僕に向けた言葉じゃない。
無理やり引き出しただけの言葉。


それでも、の口からその二文字が出たことに、どうしようもなく満たされてしまった。



「……いい子」



僕は約束通り、止めていた指をゆっくり動かす。



「っ……ぁ……」



もう限界に近い。

だから、最後だけ。
指の腹を当てて、そこをぴんと弾いた。



「んぅ……っ、せ、んせぇっ……!」



は僕の胸に顔を押し付けて、初めての絶頂を迎えた。
その小さな身体が余韻に震えている。


今、この子の頭の中にあるのは何だろう。

僕の声。
僕の指。
僕の体温。

少なくとも今だけは、恵のことなんか考えていないように見えた。


このまま続ければ、消せるかもしれない。

恵に向けた迷いも。
僕以外を見ようとする、その揺れも。

もっと触れて。
もっと泣かせて。
僕のことしか考えられなくして。

そうすれば、また昔みたいに戻るかもしれない。


――僕だけを見ていたに。


もう一度その震える肩に手を伸ばそうとすると、が小さく身を竦めた。
微かに怯えが混じった目で、僕を見ている。


違う。
そうじゃない。

僕が戻したかったのは、こんなじゃない。


伸ばしかけた手が、途中で止まる。

これ以上続けたら、僕がの中から消えてしまう。
考えるまでもなく、戻れなくなる。


でも……。

このまま放っておいたら、はまた恵を見るかもしれない。
恵に好きだと言われて、また揺れるかもしれない。
僕の知らないところで、誰かのものになるかもしれない。


それだけは、絶対に嫌だった。


彼女が欲しがっているものは、渡さないくせに。
僕は、僕の欲しいものだけを欲しがっている。

都合が良くて。
勝手で、最低。

だから硝子に、クズって言われるんだろうな。


触れたい欲も。
僕以外を見てほしくない嫉妬も。
手放したくない執着も。

全部が混ざって、僕の中で黒く咲いていく。


僕は、その花に名前をつける代わりに……――。



を縛るためだけの呪いを落とした。
















「彼氏、作んないで」








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