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【呪術廻戦/短編集R18】夜更けの花屋は恋を売る

第2章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる II**


が無意識に僕の方へとすり寄ってきた。
僕の胸に額を押し当てて、荒い吐息をこぼす。



「……せん、せ……っ、なんか、へん……っ」



自分の身体に何が起きているのか、全くわかっていない。
こういう風に『なる』こと自体が、初めてなんだ。


それを今、僕が教えている。
恵もまだ知らない。

そう思ったら、自然と口角が上がっていた。


さらに指に愛液を絡ませながら、なぞる速度を上げていく。



「ひぁっ……ぁ、ああっ……!」

「いいよ。もっと変になって」



宥めるふりをして。
快感から逃げようとする腰を引き寄せ、膨らんだ先端を指の腹でくるくると円を描くようになぞった。


ぎゅっと丸まっていく、の足の指。
荒くなっていく呼吸。


(あと少しか……)


は顔を真っ赤にして、初めての感覚に戸惑っている。
何が起きているのかわからないのに、もう僕の指から意識を逸らせない。


その顔を見た瞬間、さっき聞き損ねた言葉が頭をよぎった。



『ずっと、先生のことが――』



その先を聞きたい。
たとえ今から言わせるそれが、僕へのものじゃなくても。
今だけの、意味のない言葉でも。

それでも、に言ってほしかった。



「せんせ……それ、だめぇ……っ」



の身体が強張った直前、僕はわざと指の動きを止めた。



「っ……!? ぁ……、え……」



涙でぐしゃぐしゃになった顔が僕を見上げた。
なんで止めたの、と言いたげに。
もっと、と言えないまま、縋るみたいな目で。


(……ほら、これなら言えるでしょ)


僕は止めていた指をほんの少しだけ動かした。



「……ぁ、んっ……」

「。これ、好き?」

「……っ」

「言ってくれたら、続きしてあげる」



こんな方法で、欲しい言葉を引きずり出そうとしている。
けれど、こうまでしてでも欲しかった。



「ほら。僕の指、好き?」



はすぐには頷かなかった。
唇を噛んで、しばらく目を迷わせていたが。
耐えきれなくなったのか、こくんとが頷いた。



「……っ、す、き……」



注意してなければ聞き逃しそうなほどの小さな声。
でも、僕にははっきりと聞こえた。
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