第1章 【五条悟・伏黒恵】クロユリは君を欲しがる**
最低だ。
止める役目まで、こいつに渡している。
五条先生も大概だけど、俺だって人のことは言えない。
俺は今、どんな顔をしているんだろうな。
目を逸らしかけた時、の指先がそっと俺の頬に触れた。
「……伏黒くん。そんな顔、しないで……」
「……」
「伏黒くんがそんな顔してるの、見たくない」
そんなふうに触れられたら。
そんな声で呼ばれたら。
また、期待してしまう。
すぐ目の前で、俺を見つめる瞳。
重なりそうな吐息。
これ以上離れているのが、どうしようもなく苦しくなって――俺はゆっくり顔を近づけた。
唇が触れる直前で。
「……嫌なら、今言え」
「嫌、では……ない、と思う」
「なんだよそれ」
「わかんない……でも」
の指先が、俺の頬に少しだけ力を込める。
「今は……ちゃんと、伏黒くんを見るよ」
その言葉だけで、もう十分だった。
俺はの唇に優しく口付けて、舌を滑り込ませた。
「んっ……」
びくっと震えた肩を抱き寄せる。
熱くなった吐息を共有していると、もっと体温を感じたくて。
浴衣の合わせに差し込んだまま止めていた手を、再び動かした。
「ぁ、そこは……っ」
が小さく身をよじるが、そのまま奥へと手を這わせると、ふにゃりと柔らかい膨らみに直接触れた。
(……は?)
あるはずのものがない。
……嘘だろ。
なんで、こいつ下着をつけていないんだ。
いや、あれだけ雨に濡れていたんだ。
制服と一緒に、下着だってびしょ濡れになっていたに決まってる。
元々泊まる予定なんてなかった。
着替えなんて持っているわけがない。
「……、もしかして……下も履いてないのか?」
の顔が、暗闇の中でもわかるくらい一気に真っ赤に染まった。