第3章 【伏黒恵】君に響くカンパニュラ**
は袋から中身を取り出すと、それを俺の掌へ乗せた。
それから、俺の手に額をこつんと当てる。
ガキの頃、俺が喧嘩で熱くなっていた時。
任務前に、余計なことを考えすぎていた時も。
よく、こうして俺を落ち着かせようとした。
(の方がずっと怖いはずなのに……)
の頬を包んで、俺と目を合わせるように上を向かせる。
「……。本当に俺でいいのか?」
の目がほんの少しだけ揺れたが、俺から視線を逸らすことはなかった。
頬に添えた俺の手に、は自分の手をそっと重ねる。
その手はまだ震えていた。
そして、深く息を吸い込むと、俺の掌にまた人差し指を落とした。
『め』
『ぐ』
『み』
『く』
『ん』
『が』
『い』
『い』
最後の文字を書き終えた瞬間、言いたいことが喉まで込み上げる。
俺も。
俺も、がいい。
俺は、お前のことが――。
その言葉は、今のを縛ってしまう気がしたから。
俺は返事の代わりに、の唇にキスをした。
ゴムを身につけて、着たままだったTシャツを頭から脱ぎ捨てる。
「……挿れるぞ」
の脚を自分の腰へ絡ませ、入り口に自分の先端をあてがった。
息を吐きながら、ゆっくりと腰を沈めていく。
「…………ッッ!!」
「っ、……く、」
キツい。
想像していたより、ずっと。
奥へ進むたび、の中が俺のものに吸い付くように絡みついてくる。
奥まで入ってないのに……やばい……。
これ、俺もつのか?
ついその快感に呑まれそうになって、このまま進みたくなるが、一度動きを止めた。
を見ると、涙を流して唇をきつく噛みしめていた。
痛みに耐えているのが目に見えてわかる。
俺は、親指で噛みしめられた唇を優しくなぞった。
「大丈夫か? 一回、息しろ」
はこくこくと何度か頷くと、俺の言葉に従うように、浅い呼吸を一生懸命に繰り返し始めた。