第1章 パニエに隠したデビルズ・テイル
「は?」
「いやだから、これならルール破ってないですよね?」
彼女の突拍子もない言葉は、まるで頭を鈍器で殴られたような衝撃だった。
この程度のアルコール量で酔っ払うタマじゃないが、やっとひと段落ついた仕事とそれまでの多忙さも相俟って、自分でも気がつかないほどに疲労が溜まっていたのか。もしかしたら酔いの回りが早かったのかもしれないと、そう思うには十分すぎるぐらい不可解だった。
って、待て待て。そもそもどうしてこんな話題になってんだ?
温くなった残りのビールを飲み干してから、居酒屋のカウンター、騒音と店員の元気な声、隣の彼女の視線が痛々しく刺さる中で天井を仰いだ。
【予定調和な運命だった】