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【刀剣乱舞】神様に恋した猫【完結】

第3章 名前をもらえない距離


夜。息を吸うたび、胸がひりついた。

(……大丈夫、まだいける)

人の形を保つのは、思っていたよりずっと難しい。
足元が揺れる。指先が霞む。
それでも。
――会いたい。

その一心で、ヒスイは石段を上がった。
見慣れた背中がある。
黒い影。静かな気配。

「……来たか」

短い声。
いつもと同じ言葉。

でも――今日は違う。

ヒスイは、猫じゃない。
人の姿で、そこに立っている。

「……あの」

声が震える。
倶利伽羅の視線がゆっくりと向けられる。
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