第28章 猿の家
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私も子供の怖がる様に当てられたのか、なんだかこの部屋は落ち着かない。夜も寝られるには寝られるのだが、朝は体がバキバキに凝っていて、寝た気がしない。
そのうち、おかしな夢を見るようになった。
夢の中で、私は見知らぬ古い日本家屋のようなところにいる。10畳くらいの畳敷きの広間だ。左手の開け放たれた襖の奥に、板張りの廊下が続いている。数メートル先がT字路になっていて、左へ折れる『曲がり角』がある
そして、自分は、その最初の左手に折れる廊下の部分をじっと見ているのだ。
そこが妙に気になる。
というより、怖い。怖くて目が離せないのだ。
夢としてはこれだけであるが、目が覚めると汗がびっしょりになっていて、体は強張っていたのだった。
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そして、ある日、決定的なことが起きた。
夜、ふと目が覚めると体が固まったように動かない。顔が少し左側を向いていたので、辛うじて目を動かして、自分の左側を見ることはできた。ちなみに、私の寝ているベッドは左側は壁で、先ほど言ったように、その向こうはリビングになっている。本来、私の見ている先には白い壁がなければいけない。
しかし、実際目に飛び込んできたのは、古い日本家屋の廊下だった。そう、あの夢で見ていた左手に折れるT字路がある廊下である。私は目を見開いていた。
金縛りにあっているので目を離すこともできない。目を閉じることもできない。ただ、自分の浅い呼吸音を聞きながらその光景を凝視することしかできないのである。
『これは夢だ』と言い聞かせて自分を落ち着かせようとする。
しかし、心臓は高鳴り、やはり、あの曲がり角が気になった。
そしてとうとう、私は夢とは決定的に違う光景を目にする。
その曲がり角、床に近いところに、
ペチャリ、
と白い手が這い出すのが見えたのだ。
その白い手は、ずりずりと廊下に這い出してくる。そして、また、
ペチャリ、
ともう一方の手が床につく。
『何かが這い出てこようとしている・・・』