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かるら怪談

第33章 部屋の中の溺死体


☆☆☆
<第三の証拠:ビデオテープ>

「実は、報告書を書き上げる前に、部下の一人がおもしれーことを言ったんだ。
 『Aさん、こういうツアー企画するようなやつは、ビデオとか撮ってないですかね』って」

どうして水に入ったのかが気になったAさんは、T.Tの部屋をもう一度捜査してみた。すると、HDビデオカメラがあったのに気づいた。最初に捜査したときには特に関係がないと思われ、見向きもされなかったものだった。
早速Aさんたちは、鑑識の協力の下、ビデオカメラの中の映像を調べてみた。

『あ、ありましたよAさん。2月10日から11日にかけての映像です。』

『第一の場面』
明るいバンガローの中。生前のS.I、T.Y、R.Sらが映っている。どうやら撮影しているのはT.Tのようだ。
S.I「これから、N神社を訪ねに行きます」
T.Yが横から顔を出し、ピースサインをする。メガネをかけたR.Sはそんな二人を見て、にこやかに笑っている。

『第二の場面』
車に乗っているよう。運転しているT.Tが助手席から映されている。背後から男二人がまだつかねーのか?などと声をかけてくるのが聞こえるので、撮影者はR.Sの様子。
外は真っ暗で何も見えない。ヘッドライトが闇を丸く切り取り、舗装の良くない村道を照らしている。

『第三の場面』
誰かが懐中電灯で照らしていてかろうじて階段が見て取れる。どうやら、神社の参道にあたる階段を下から見上げているところのようだ。ビデオには暗闇がザラザラとした質感で写っている。緊張しているのか、撮影者以外の三人もあまり口数が多くない。撮影者以外の3人は懐中電灯をもって思い思いの方を照らしている。
『行きましょうか・・・』
おそらく撮影しているT.Tの声。T.Tが一番しんがりを務め、先頭はS.Iのようだ。真ん中にR.SとT.Yを挟んでいるようだ。
『やっぱ迫力あるなー』『本当、なにか出そう』などと話している。
階段を登りきったとき、『うわ!』と声がする。先頭のS.Iが何かを見つけて叫んだ。
『どうした!』
T.Tが階段を駆け上がる。S.Iが懐中電灯で照らす先には首のない狛犬があった。
『なんだよ・・・』
T.Tの残念そうな声。
それから、4人は社に向かい、社を一周した後、階段を降りる。
特に、変わったことはなかった。
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