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ときメモGS

第1章 【GS1】1章_姫条まどか 愛おしいほどに


夢主side

自分の聖域に葉月くんがいる。
それだけで心臓が痛いのに、追い打ちをかけるように外の天気が荒れ始めた。

――ドォォォォン!!

地響きのような激しい雷鳴が、部屋の窓をガタガタと揺らす。

夢主「ひゃあ……っ!」

思わず短い悲鳴を上げて、私は隣の布団に潜り込んだ。
小さい頃から、雷だけはどうしても苦手だ。

葉月「……怖いのか?」
夢主「……うん。お母さんも尽もいないし……」

情けない声で答えると、隣でゴソゴソの音がした。
次の瞬間、

葉月「……こっち、来いよ」
夢主「えっ?」
葉月「一人で震えてるよりは、マシだろ」

迷ったのは一瞬だった。
また大きな雷が鳴るのが怖くて、私は吸い寄せられるように彼の布団へと滑り込んだ。

狭い布団。
必然的に、二人の体は密着する。
彼の腕が私の腰に回され、抱き寄せられた。

夢主「……あ」

さっきまでの恐怖なんて、一瞬でどこかへ飛んでいってしまった。
腕の中から伝わってくる葉月くんの体温と彼の鼓動。
いつもはクールな彼なのに、抱きしめる力は驚くほど強くて、男の子なんだと思い知らされる。

夢主「……葉月くん、心臓、すごく速いよ」
思わず口をついて出た言葉に、彼の体がピクリと跳ねた。
葉月「……お前のせいだ。……責任取れよ」

耳元で、熱を帯びた声が響く。
顔を上げると、至近距離で彼と視線がぶつかった。
いつもは眠たげな彼の瞳が、今は鋭く、私を逃さないと決めたように潤んでいる。

葉月「美奈子今日、誰もいないんだろ。ダメなら、今言え」

彼の手が私の首筋に触れる。
そのあまりの熱さに、吐息が漏れた。
昼間、教会で私が言った言葉。
彼は、その意味を、男の子として受け取っていたんだ。
彼の顔が、ゆっくりと近づいてくる。
雷の光が、一瞬、彼の表情を照らした。
そこにあったのは、いつもの王子様の笑顔じゃない。
獲物を狙うような、真剣で、色っぽい、一人の男の顔だった。

夢主「……ダメ、じゃない、よ」

消え入るような声で答えると、彼は満足げに、微かに笑った気がした。

葉月「……後悔するなよ」

次の瞬間、彼の唇が、私の唇を塞いだ。
激しい雨音も雷も、もう二人の耳には届かない。
夜の静寂の中で、重なり合う吐息だけが、甘く溶けていった――。
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