第1章 【GS1】1章_姫条まどか 愛おしいほどに
夢主side
お父さんのTシャツと尽のジャージを貸して、葉月くんにお風呂を先に使ってもらった。
お風呂上がりの彼は、いつもの整髪料の匂いではなく、うちの石鹸の匂いがして、濡れた髪が少し幼く見えて……。
その無防備な姿に、私は直視できなくて、逃げるように自分もお風呂に飛び込んだ。
シャワーを浴びながら、心臓の音だけがうるさく響く。
(どうしよう、どうしよう……! 葉月くんが、うちに泊まってる……!)
お風呂から上がり、尽の部屋へ向かう。
「……うわっ、ひどい」
尽の部屋のドアを開けた瞬間、二人で絶句した。
床には脱ぎ散らかしたジャージ、読みかけの漫画が散乱していて、布団を敷くスペースなんて微塵もない。
「ごめん葉月くん、ここじゃとても寝られないよね……」
「……ああ。尽のやつ、いつもこんななのか」
「そうなの……。もう、明日お説教しなきゃ」
申し訳なさでいっぱいになりながら、私は意を決して提案した。
「……あの、私の部屋なら片付いてるから。狭いけど、そこで雑魚寝でもいいかな?」
「……美奈子が良ければ」
そうして、私の部屋に移動して布団を並べた。