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ときメモGS

第1章 【GS1】1章_姫条まどか 愛おしいほどに


姫条 side
教室で葉月が言い放った、言葉。
それが、俺の頭の中で何度も、流れた。

平静を装って彼女の肩を抱き、教室を出る。
横にいる美奈子の体は、強張っていた。
それが、俺のせいなのか、それともあいつを思い出してのことなのか、考えれば考えるほど、胸の奥がドロドロに溶けていく。

夢主「ねぇ、姫条くん? なんで、こんな…痛いよ。ちょ、ちょっと、姫条くん!?」

姫条「ええから来い! 自分の口から、全部洗いざらい聞かせてもらうで」

アパートに着いて、ドアを閉めた。
鍵をかける音が、やけに大きく響く。

夢主「ねぇ、姫条くん? なんで、こんな……」

美奈子の瞳に映る俺は、きっと自分でも見たことないくらい酷い顔をしとるんやろう。

姫条「あいつ、何したんや」
低く、押し殺した声が出た。
夢主「え……?」
姫条「隠すなや! 昨日、あいつの家に泊まったんやろ! さっきの言い草……何もないわけあらへんやろ!!」

声を荒らげると、そのまま壁際に後ずさった。
俺は彼女の両手首を掴んで、壁に縫い付けた。

夢主「っ、痛い、よ」
姫条「痛いんは俺の方や!!」

視界が滲んだ。

ずっと「にいやん」として、一線を守ってきた。
自分の欲には蓋をしてきた。なのに、あいつは……。

姫条「ずるいやんか、葉月は。あんな、涼しい顔して」

美奈子の首筋に顔を埋める。
そこから、微かに香る知らない男の気配。
それが、俺の理性を、最後のひとかけらまで焼き切った。

姫条「嫌や」

俺は、彼女の震える唇を、乱暴に塞いだ。
優しさなんて、欠片も残ってない。
呼吸もできへんくらい、深くて、執拗なキス。
彼女の吐息を、熱を、全部俺が奪い去りたかった。

夢主「……ふっ、ん……っ」

美奈子の小さな手が、俺の胸元を押し返そうとするその力が弱まって、彼女の目から一筋の涙が溢れたのを見た瞬間。
ピタリと止まった。

夢主「…美奈子」

拘束していた手を緩め、彼女の濡れた頬に指を這わせる。
俺は何をしとるんや。
こんなことしても、変わるわけやないのに。

俺は、彼女の額に自分の額を預けて、情けない声を漏らした。

「美奈子。……俺じゃ、あかんかったんか?」

その言葉は、俺の最後の、情けない足掻きだった――。
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