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ときメモGS

第1章 【GS1】1章_姫条まどか 愛おしいほどに


夢主side

姫条「……」

夢主「……ねぇ、姫条くん? なんで、こんな…痛いよ」

校門を出てから、姫条くんは一言も喋らなかった。
いつもなら「あそこのクレープ食いに行こうや」とか、賑やかに話しかけてくれるのに。
今はただ、私の腕を力任せに引いて、早足で歩き続けるだけ。
自分のアパートの方へ向かって歩き出した。

夢主「ちょ、ちょっと、姫条くん!?」
姫条「ええから来い! 自分の口から、全部洗いざらい聞かせてもらうで」

自分の部屋に俺を連れ込むと、彼はドアを荒々しく閉め、鍵をかけた。
狭いワンルーム。
彼の匂いがいっぱいに広がる空間で、逃げ場を失った私の肩を、彼は乱暴に掴んで押し倒した。

姫条「……あいつ、何したんや」
夢主「え……?」
姫条「隠すなや! 昨日、あいつの家に泊まったんやろ! さっきの言い草……何もないわけあらへんやろ!!」

怒鳴り声に、肩が跳ねる。
見上げると姫条くんの瞳は、怒りとそれ以上に深い悲しみで濁っていた。
にいやんは私の両手首を掴んで、壁に縫い付けた。

夢主「……っ、痛い、よ……」
姫条「痛いんは俺の方や!!……ずるいやんか、葉月は。あんな、涼しい顔して…………嫌や」

冷たい言葉と共に、重なり合ってきた彼の体温。
次の瞬間、呼吸を止めるような、乱暴キス。
いつも優しかった「にいやん」の面影は、どこにもなかった。

夢主「……ふっ、ん……っ」

私は苦しくて兄やんの胸を数回たたいた。

姫条「……美奈子。美奈子。……俺じゃ、あかんかったんか?」

その言葉は、悲しい声だった――。
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