第2章 壱 かぶき町
涼花「かぶき町には、兄上を探しに来ました。」
その言葉を聞いて、銀時はほぼ確信を持った。
長く真っ直ぐ伸びた黒い髪。しっかりした眼差しを持った瞳。身長があまり高くないとこも、まさに奴にそっくりだった。
銀時「もしや、桂……桂涼花か?」
涼花「っ!!!……何故それを?!」
驚く涼花に銀時はクスッと笑いかけると
銀時「俺はおめぇの兄貴が寺子屋に通ってた時から一緒に居たぜ。そういやよくいってたなぁ……妹のチビ涼花、俺のチビ涼花がって。」
目尻を下げて柔らかくそう言った。
その姿と、昔の兄が私の事を考えていてくれた事とで、涼花は少し涙が出そうになった。
神楽「なるほど、涼花はヅラの妹だったアルね!万事屋に依頼に来て正解アルヨ!!」
新八「言われてみれば、本当にそっくりですね!桂さんもちゃんと見れば美形ですしね!」
銀時「今となっちゃあただの狂乱の奇行子だけどな。……会いに行くか?その奇行子に。」
涼花「……もちろんっ!」
涼花は満面の笑みでそう答えた。