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<短編>ブルロ 気まぐれに書きたいやつ

第2章 借り物/ブルーロック/糸師凛/幼馴染み/シリアス日常


友人の言ったフォローという言葉が少しだけ内側によぎった。
ただ、繭にはそれが無意味であることもよくわかる。
なぜならば、凛が求めるものは今更その瞬間に遡り感情面での不快を安っぽく修正することではない。強いて言うならば、未来に焦点を当て二度と同じ事を繰り返すなという凍れる牽制の方だ。

繭はようやく立ち上がる。
通学バッグに参考書と筆記用具を雑に放り込んだ。


「……帰る」
「うん……あれ、なんか、顔色悪くない?」
「…………ん」


そうだ。確かに今日は、思えば朝から、体調は良いとは言えない。ぐらりと視界が揺れそうにも感じる。

友人は繭と教室扉を交互に見る。


「大丈夫?……糸師くんまだいるかな、方向が同じなら送ってもらった方が」
「いい」
「でも……」
「平気」


そう、平気。
こんなものなんてことはない。

体調不良がだから何だ。別に死ぬわけでもないし自己責任でしかない。自覚があるならとっとと帰って寝ればいい。面倒をかけるな、秩序を乱すな、邪魔をするな、凛の価値観はわかっている。
ただ物理的に時間を共有してきたくらいで優しさも庇護も情も生まれはしないし、凛の中にあるのはいつだってブレない唯一無二のみだ。

そして、ここまでは言い訳めいた建前でしかない。

足を一歩前に出す、大丈夫、歩けないほどではない。繭は瞳をきつく細めた。




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