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<短編>気まぐれに書きたいやつ

第1章 放課後/ブルーロック/糸師凛/幼馴染み/日常


放課後。

駅前のカフェはサラリーマンや学生、買い物終わりの主婦等で賑やかに混んでいる。今日はこの後に凛はサッカーの練習があるし、繭には習い事の予定があるのだが小一時間ほどの空きがある。
約束をしていた訳でもないが駅までの通り道にあたるこの場所で何となく時間を潰すこととなる。

幸運にも窓際の二人席が空いていた。荷物の多い凛に席確保を任せるのはいつもの事だ。

先にレジ前に並び繭は顔を上げる。カウンター上に文字のみで表示されるメニューに集中した。ふと横を通るのは別の高校の制服を着た男子生徒二名だ。彼らはゆっくり脚を止めると遠慮がちに声をかけてくる。


「あの、すみません。」
「え?はい」
「あ、その、前もこの駅で見かけて……」


繭の視線がメニューから彼らに移った。
見上げるほどではないが身長は繭より15センチは高いだろうか。もう一人は横から無言で「頑張れ」のエールを送る顔をしている。上から目線で偉そうなナンパを仕掛けてくる男子に比べたら遠慮がちな姿勢は好感が持てた。

とはいえ、彼らの目的が繭にはわかるしそれに応えるつもりもない。ここでのせめてもの誠意は丁重に断ることだろう。


「よかったら連絡先――」
「あー……」


宙を仰ぎなんと言うかを一瞬考えているうちに、後ろから淡さの乗るこの空気感を一気に摘み取る声がする。


「無理」


遮ったのは凛だ。
この返事に深い理由はないし理屈の乗る説明すら不要、凛の顔にはそう書いてある。男子達の目は凛に移り、気まずそうに言葉を選んでいる。凛は繭には視線を向けずに、男子校生に見えない排除の音を送っている。


「え、あ……」
「必要ねえから」


男子校生は気まずそうに引き下がり、そのまま店を出てしまった。別に目くじらを立てるほどの事は何もないが、少しだけ呆れを覚える。
繭は小さく息を吐き、緩く眉間を寄せ凛を見る。


「自分で断れたけど」
「時間の無駄」
「感じ悪」
「事実」


少しだけいがみ合う時を裂くように、注文の順番が来た。


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