第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】
「はい、オッケーです! 撮影は全て終了です!お疲れ様でした!」
カメラマンの弾んだ声が、張り詰めていたスタジオを解放した。
その場にいた全員から、割れんばかりの拍手が沸き起こる。
「ショートさん、さん、本当に素晴らしかった!ただのファッション写真を超えて、ストーリーが見えるようでしたよ。後日の仕上がりを、ぜひ楽しみにしていてください!!」
編集長やスタッフたちが口々に称賛を送り、二人の元へ駆け寄る。
その誰もが「最高の出来だ」と確信に満ちた顔をしていた。
轟は少し気恥ずかしそうに髪を掻き上げると、隣に立つに向き直った。
「……君のおかげだ。撮影というものが、こんなに奥深いものだとは思わなかった」
「ふふ、ショートさんの飲み込みが早すぎて、私の方が驚いちゃった!最後の方は、どっちがリードしてるか分からないくらい、かっこよかったですよ?」
が眩しそうに目を細めると、轟の口元にもわずかに満足感が滲んだ。
着替えを終えた後のスタジオの出口で、二人は再び顔を合わせた。
「それではショートさん、今日は本当にありがとうございました」
「ああ。……こちらこそ、今日は、色々助かった、……ありがとな」
轟の真っ直ぐな言葉に、は一瞬だけ瞳を丸くし、それから春の陽光のような笑みを浮かべた。
「いいえ、大したことは……では、また、どこかで」
別れ際、彼女が軽やかに手を振って車に乗り込む。
その姿が見えなくなるまで、轟はその場に立ち尽くしていた。