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俺の推しの娘☆

第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】


「……お礼をしたいと言ったら、再来週末に会うことになった」


「「「再来週末デート確定じゃねぇか!!!」」」



三人の怒号に近い叫びが店内に響き渡る。
それからはどんな店を予約すべきか、服はどうするのか、峰田には絶対に黙っておこうといった「作戦会議」という名の冷やかしに、轟は一晩中付き合わされる羽目になった。












決戦当日。
轟は上鳴たちに叩き込まれた「デートの心得」を忠実に守り、約束の15分前には個室に足を踏み入れていた。


「いいか轟、相手は超人気モデルだ。パパラッチに撮られたらお前だけの問題じゃ済まない。必ず店の中で合流しろ。あと、予約は絶対に『あの店』だぞ」


切島たちが勧めてくれたのは、芸能人やトップヒーローが密かに通う、鉄壁のプライバシーを誇る隠れ家レストランだった。
入り口から個室まで、他の客と一切顔を合わせない導線が確保されている。



(……足は組まずに背筋を伸ばして待つ。注文は彼女が来てから。店員への態度は丁寧に。……よし)



頭の中で「上鳴式・初デート攻略本」を反芻しながら、轟は微動だにせず扉を見つめた。
やがて、静かにドアが開く。


「お待たせ。……ここ、場所、分かりにくくなかった?」


現れたのは、深めのキャスケットに大きめのサングラスをかけた女性だった。
轟が「誰だ?」と一瞬身構える間もなく、彼女は流れるような動作で扉を閉め、サングラスを外した。

現れたのはあの日、撮影スタジオで自分を翻弄したの、柔らかで美しい瞳だった。



「……全然。指示通り、裏口から入ったから問題ない」


「ふふ、良かった。ここは私も時々使うけど、サービスがいいから安心なの。エスコート、完璧ね」



彼女は慣れた手つきでストールを脱ぎ、轟の対面に腰を下ろした。
帽子や眼鏡で顔を隠していても、滲み出るオーラと洗練された仕草は隠しようがない。
周囲を警戒してどこか硬くなっている轟とは対照的に、彼女はこの「お忍び」という状況すら楽しんでいるように見えた。



「その格好……。普段のヒーローコスチュームや、撮影の時とも違って、すごく似合ってるわ」



「……そうか。上鳴たちに、少し相談して決めたんだが」



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