第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】
「撮影、私もすごく楽しかったわ。……あ、そういえば…」
が、去り際にふっと声を潜めた。
「実は他にも、あなたと一緒に大きなプロジェクトに関わるかもしれないって話が出てるの。まだ内緒だけど……またすぐに、現場で会えるかもしれないわね」
思わぬ朗報に、轟は目を見開いた。
詳細はまだ分からないが、彼女と再び「共作」できるという事実は、今の彼にとって何よりの報せだった。
「……そうか。それは、楽しみだな」
「ええ。期待してるわよ、ショートさん」
彼女は軽やかに手を振ると、スタッフの元へと戻っていった。
轟はその背中を見送りながら、手の中にあるスマートフォンの重みを感じていた。
次に会う時は、今日のような戸惑うだけの自分ではない。
彼女を驚かせるような、そして彼女を守れるような、もっと強い男として隣に立ちたい。
スタジオを後にする轟の足取りは、いつになく軽やかだった。
夕暮れの街を抜ける風が、火照った体に心地よく吹き抜けていった。