第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】
「……では、撮影始めます。お二人共準備を」
カメラマンの無機質な合図が、スタジオの静寂を切り裂いた。
轟は一瞬、指先に力を込めてバスローブの襟元を握りしめたが、意を決してそれを肩から滑り落とした。
鍛え上げられた胸筋、無駄のない腹筋の陰影がライトの下に剥き出しになる。
ヒーローとして鍛え上げられた肉体は「造形美」として晒されていた。
一方のに、躊躇いは微塵もなかった。
滑らかな動作でローブを脱ぎ捨てた彼女の姿に、轟は呼吸をすることさえ忘れた。
「……っ」
視界に飛び込んできたのは、あまりにも鮮烈な輝きだった。
上半身には、申し訳程度のニップレスが貼られているだけ。
ほぼ全裸に近いその姿は、彫刻家が心血を注いで削り出したかのように完璧な曲線を写し出していた。
ライトを反射して真珠のように発光する肌。
柔らかで、それでいて凛とした形を保つ胸の膨らみ。
そして、その下にある驚くほど細く、しなやかな腰のライン。
視線を下げれば、彼女もまた最低限の面積しか持たないスイムウェアを纏っている。
際どいVラインから伸びる、眩しいほどに真っ直ぐな脚。
轟は、思考が真っ白に染まるのを感じた。
前回の撮影とは何もかもが違う。
物理的な距離、肌の露出、そして、この空間に充満している濃密な熱量。
(落ち着け。これは、仕事だ……)
脳裏で必死にそう言い聞かせるが、身体は正直だった。
目の前の美しさに圧倒され、足先から凍りついたように動けなくなる。
同時に、自身の内側からせり上がってくる本能的な熱を、彼は必死に理性の檻に閉じ込めようとした。
「ショートさん、顔が固いですよ」
が、一歩、踏み込んできた。
剥き出しの肌が近づくたび、轟の防波堤を容赦なく削っていく。
「……悪い……。ただ、少し、想像を絶していて」
「ふふ、見惚れてくれたなら光栄。でも、今日は『抱かれたい男1位』を撮るんでしょ? 圧倒してくれないと困るわ」
彼女がその細い指先を、轟の逞しい胸板にそっと添えた。
指先から伝わる微かな震えが、彼が必死に抑え込んでいる理性の限界を物語っている。
「さあ、私を抱いて。……最高に、情熱的な顔で」
彼女の挑発的な瞳が、轟の奥底にある「火」を灯した。