緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第6章 赤髪の生誕祭 ―月の光と蜜の舞―
あの日、正式に「お頭の女」として認められてからというもの、の日々は鮮やかな緋色に染まっていた。
個室は用意されているものの、一日の大半を過ごすのはシャンクスの腕の中だ。
船長室の大きなベッドで、あるいは執務机に座る彼の膝の上で、はとろけるような寵愛を受けていた。
彼が注ぐ愛は甘く、重く、時に息が止まるほど濃厚で、彼女の心も身体もドロドロに溶かし尽くしていく。
そんな、穏やかで熱い日常の中でのことだった。
「おーい、! 来週の『お頭の誕生日』、プレゼントは何にするか決めたか?」
不意に声をかけられ、は手に持っていたティーカップを危うく落としそうになった。
「え……。誕生日、ですか?」
「なんだ、聞いてねェのか。三月九日だよ。俺たちはもう、盛大な宴の準備で大忙しだぜ!」
朗らかに笑って去っていくクルーの背中を見送りながら、は呆然と立ち尽くした。
シャンクスからは何も聞いていなかった。
彼に愛されることに必死で、彼の「生まれた日」という大切なことを、今の今まで知らずにいたのだ。
(どうしよう……。私、シャンクスさんに何をしてあげられるだろう)
あんなに大きな愛を毎日もらっているのに、肝心な時に何も用意できていない自分が情けなくなる。
聞けば、誕生日の前日には次の島に上陸する予定だという。
焦ったは、一息ついていたベックマンの元へ駆け込んだ。
「ベックさん、あの、ご相談が……!」
「……お頭の誕生日か。さっきの野郎どもの声が聞こえたな」
ベックマンは紫煙をゆったりと吐き出し、困り果てた様子の彼女をどこか楽しげに見つめた。
「次の島は、大きな市場がある賑やかな場所だ。上陸してから探す時間はあるだろうが……。あいつが何を欲しがるか、見当もつかないか?」
「はい……。シャンクスさん、欲しいものは何でも持っている気がして。私なんかが用意できるもので、喜んでもらえるでしょうか」
不安げに俯くに、ベックマンはふっと口角を上げた。
「あいつの物欲なんてのは、酒とつまみ、あとは気の合う仲間がいれば満たされる安上がりなもんだ。……だが、今は違う」
ベックマンは視線で、彼女の首筋に薄く残る「シャンクスの愛の痕」を指し示した。