緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第2章 落日の蜜、始まりの鐘
数時間後、船はフーシャ村の港に接岸した。
タラップを降りると懐かしい土の感触に心が跳ねる。
草花の混じった風がの鼻腔をくすぐった。
「シャンクスー! おかえりー!!」
真っ先に駆けてきたのは少年、ルフィだった。
彼はシャンクスの足元に飛びつくと、その背後に立つに目を輝かせた。
「わあ、誰だこの姉ちゃん! すっげェ美人だな!」
「こら、ルフィ。いきなり失礼だぞ。……こいつは。しばらくこの村でお世話になることになった」
「へー! よろしくな、! 俺はルフィ、海賊王になる男だ!」
屈託のない、太陽のような笑顔には思わず毒気を抜かれ、自然と笑みがこぼれた。
「ふふ、よろしくね、ルフィ君。私はよ」
彼女が腰を落とした瞬間、ルフィの鼻がひくひくと動いた。
「……くんくん。なんだか姉ちゃん、すっげェいい匂い! 出来立てのクッキーみたいな匂いだ!」
「あ……」
一瞬、過去の羞恥がよぎる。全身から溢れるアマアマの実の香り。
だが、ルフィの瞳には濁った欲望など微塵もなく、ただ純粋に、好きなものを嗅ぎつけた子供の輝きだった。
「……本当? 嬉しいわ」
シャンクスはそれを見守り、彼女を村の酒場へと案内した。
「マキノさん、頼んでた通り、こいつをしばらく預かってやってくれ」
カウンターの中から現れた緑色のバンダナの女性、マキノは、柔和な笑みを浮かべての手を取った。
「初めまして、さん。大変だったわね。ここではゆっくりしていって。私の手伝いもしてくれると助かるわ」
マキノの温かい手のひら。
シャンクスの無造作な優しさ。
そして、周りをチョロチョロと走り回るルフィの騒々しさ。
そのすべてが、の心を包み込んでいった。
(ああ……私、本当に助かったんだ…)
彼女の肌から漂う甘い香りは、もはや男たちを狂わせる毒ではなく、この穏やかな村の日常に溶け込む、優しい「個性」へと変わり始めていた。