第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】
「罪悪感に押し潰されそうになってたはずです。僕と戦っているとき、虎杖くんは『まだ死ぬわけにはいかない』と言いながらも迷っているようでしたから。自分が本当に存在していいのかどうか」
だから、僕との戦闘でも最後までボルテージが上がらなかった。
「僕が追い打ちをかけたんだ。追い詰めたのは僕だ」
遠くで二人の話を聞きながらも、虎杖は首を左右に振って否定した。
星也のせいじゃない。星也は何も悪いことはしていないと。
「悠仁」
泣きそうな表情をする虎杖の両頬に触れ、星也は視線を合わせる。
「君が自分を赦せないなら それでもいい。ただ、よく覚えておいてくれ。君を死なせたくないと思っている人は、君が思うよりたくさんいるんだ。傷つけば悲しむ人もね。詞織や恵、姉さんもそうだ」
吉野くん、釘崎さん、五条先生、憂太、真希、棘、パンダ。東堂くんもだね。
「もちろん、僕も」
一人ずつ名前を上げる星也に、虎杖は何度も頷いた。
「……こんな俺でも……まだ……星也さんみたいな人間に……強くて優しい術師になれる……?」
星也のように強くて、冷静さの裏でたくさん葛藤して、無表情の裏に優しさを隠した術師に。
「まだそんなことを言ってくれるのか」
彼は珍しく目を丸くし、まるで自分を嘲笑うかのように眉を下げた。