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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】


「罪悪感に押し潰されそうになってたはずです。僕と戦っているとき、虎杖くんは『まだ死ぬわけにはいかない』と言いながらも迷っているようでしたから。自分が本当に存在していいのかどうか」

 だから、僕との戦闘でも最後までボルテージが上がらなかった。

「僕が追い打ちをかけたんだ。追い詰めたのは僕だ」

 遠くで二人の話を聞きながらも、虎杖は首を左右に振って否定した。

 星也のせいじゃない。星也は何も悪いことはしていないと。

「悠仁」

 泣きそうな表情をする虎杖の両頬に触れ、星也は視線を合わせる。

「君が自分を赦せないなら それでもいい。ただ、よく覚えておいてくれ。君を死なせたくないと思っている人は、君が思うよりたくさんいるんだ。傷つけば悲しむ人もね。詞織や恵、姉さんもそうだ」

 吉野くん、釘崎さん、五条先生、憂太、真希、棘、パンダ。東堂くんもだね。

「もちろん、僕も」

 一人ずつ名前を上げる星也に、虎杖は何度も頷いた。

「……こんな俺でも……まだ……星也さんみたいな人間に……強くて優しい術師になれる……?」

 星也のように強くて、冷静さの裏でたくさん葛藤して、無表情の裏に優しさを隠した術師に。

「まだそんなことを言ってくれるのか」

 彼は珍しく目を丸くし、まるで自分を嘲笑うかのように眉を下げた。
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