夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第23章 最悪のブレイク【浴/自浄自縛】
「星也さんが……」
そして、伏黒はこれまでの経緯を説明する。
津美紀が万という術師に受肉されていたこと。
そして、星也が自分を庇って宿儺に受肉されたこと。
さらに、その宿儺によって詞織から詩音が奪われたこと。
伏黒の説明を、星良は華の治療を続けながら黙って聞いていた。だが、最悪の状況に順平の顔がみるみる青ざめ、札埜の顔は険しさを増す。
「星也さんが受肉って……そんな……!」
「神ノ原 星也……自己犠牲は晴明譲りかよ! 大馬鹿野郎が!」
伏黒は星良にバッと頭を下げた。
「すみません、星良さん! 俺のせいで……!」
謝って許されることではない。それでも、謝ることしかできない自分に吐き気がする。
「恵」
いつもとは違う固い声音での呼びかけに、伏黒はビクッと肩を跳ねさせた。華の治療を終えた星良の夜色の瞳が伏黒を見る。
「あなたがどれだけ謝っても、星也は戻らないわ」
グッと奥歯を噛み締め、伏黒は俯いた。
受肉した者を元に戻すことはできないと、“天使”も言っていた。もう、取り返しがつかない。
そのとき、頬に柔らかな感触と同時にヌルッと何かが塗りつけられる。星良が筆で、伏黒の頬に字を書いた。
――【反転術式『修復』】
星良の呪力に包まれ、ゆっくりと身体の痛みが引いていく。