夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第23章 最悪のブレイク【浴/自浄自縛】
「詩音……っ!」
「詞織、落ち着け!」
落下した詞織を追いかけた伏黒は、宙で詞織を引き寄せ、【鵺】を呼んだ。その足に掴まるも、詞織は身を捩り、詩音の元へ行こうと彼方へ手を伸ばす。
「メグ、離して! 詩音が……詩音が……!」
「オマエ、その怪我でどうするつもりだよ! 術式もまともに使えねぇだろ!」
「――そんなのどうだっていいよ‼︎」
声を荒げた詞織が伏黒の肩を掴み、手を震わせた。
「呪力も術式もいらない……人でも呪霊でもいい……! お願いだから、詩音を返して……っ‼︎」
詞織の悲痛の叫びを聞きながら、伏黒は意識が遠のきそうになるのをギリギリで繋ぐ。宿儺の攻撃による出血で身体の感覚も鈍ってきていた。
それでも、せめて詞織だけは……!
そのとき――ドロッと【鵺】の輪郭が溶ける。
「【鵺】! くそ……っ!」
「メグ……っ!」
勢いよく落下していく中で、伏黒は詞織の頭を胸に抱えた。グングンと地上が近づき、伏黒は衝撃に備えるように目を固く閉じる。
「【四番――彼の者を押し上げろ】」
ゴオォッと音を立てて唸る竜巻が、伏黒たちを上空へ押し上げた。さらに誰かに身体を引き寄せられ、ゆっくりと地上に降ろされる。