夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第21章 声にならないラメントーソ【熟む/膿む】
「【……加(か)く、宣(の)らば……天津神は、天の磐戸、を――……】」
消え入るように、星也の詠唱が途切れる。
「兄さま……?」
「星也さん……」
伏黒と詞織の呼びかけに反応したのは、虎杖だった。そんな虎杖の手を星也が払い、ゆっくりと顔を上げる。
『――覚えているか?』
いつもは静かな夜色の瞳が、今は紅く妖しい光を放っていた。
『面白いものが見れると言ったろう? ――小僧』
「星也、さん……⁉︎」
虎杖の目が溢れそうなほど見開かれる。星也の端正な顔に走る禍々しい紋様。それを前に、虎杖が絶句していた。
「嘘、だろ……」
伏黒も乾いた声が喉の奥から漏れる。
――「アンタはいつもそうだ……自分だけ分かって……俺たちには何も言ってくれない……俺たちはそんなに頼りないのかよ」
――俺のせいだ……!
そう言って突き放したことを、死ぬほど後悔した。