第3章 胸を突き刺すドロローソ【執行~あの場所】
「……誰だ?」
虎杖の呟きに答える者はおらず、ビルの二つの人影が消えた。
そして――……。
――ドゴンッ‼︎
不気味な呪力を纏った男の着地と同時に、ガードレールもろとも道路が瓦礫と化する。圧倒的な呪力に空気がビリビリと悲鳴を上げていた。
降り立ったのは自分と歳の変わらない黒髪の少年だ。高専の、それも白い制服を着ている。彼は右手で刀を持ち、酷く冷めた目で口を開いた。
「誰が虎杖くんの……何?」
底知れない……それが第一印象だ。
「やはり、悠仁の死刑執行人か」
そう言って、脹相が臨戦態勢の構えをとる。そこへ、「ちょい待って」と金髪の男が手を上げた。
「オレは味方やで。キミ、乙骨君やろ?」
乙骨……前に伏黒から聞いたことがある。真希たちと同じ二年の先輩で、五条や星也と同じ特級術師だ。
「あなたは?」
「禪院 直哉特別一級術師……真希の従兄(いとこ)だ」
真っ白な虎に乗って、星也が乙骨の傍らに降りる。
「星也さん……!」
けれど、彼が虎杖に応えることはなく、そこからは これまでのような友好的な気配も感じられない。
「星也君か。特級二人でお出ましとは、えらい仰々しいなぁ」
「僕はただのサポートですよ……と言っても、憂太には必要ないでしょうが」
星也がサポート?
死刑執行人である乙骨の?
それって……。
「オレもキミらと同じで、虎杖君を殺せって言われとる。安心しぃ。キミらの邪魔はせぇへん」
星也の言葉と三人のやり取りに愕然とする虎杖へ、脹相が近寄って耳打ちしてきた。