夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第18章 その裏に隠されたインクィエート【未知への供物】
「だが、放っておいたら“慣らし”が済んで、この国の人たちが天元様と団子になるかもしれない」
「オレ、それよく分かってないんだよなぁ」
伏黒ももっともだ。詞織も正直 髙羽と同じで賛成し難いが、提案を突っぱねる言葉も持ち合わせない。
『――駄目だ』
突如 華の頬に口が現れ、ずっと沈黙していた“天使”が口を開いた。
『東京第1・第2共に、術師の泳者 五十人以上が戦い散った。つまり、この第1結界もすでに呪力で満たされている』
「だから何だよ」
低い声で虎杖が“天使”に問う。
『意味がないと言っているんだ。軍人たちを呪霊から助けようと助けまいと、何も結果は変わらない』
「だから、何だよ」
さらに低い声で虎杖が問いを重ねた。
『私と華は共生関係だ。彼女のリスクは私のリスク。意味のない争いに彼女を巻き込むのは止めてくれ』
ピリピリとした険悪な空気に、髙羽が「ケンカ?」と首を傾げる。伏黒と星也も黙って成り行きを見守っていた。
「もともと別に仲間でも何でもねぇ。こっちは勝手にやらせてもらう」
話の流れに“イヤな予感”を感じ、詞織は「ユージ」と呼びかける。だが、虎杖は止まらなかった。
「指図すんな。俺は“オマエら”を信用してない」
「ユージ!」
虎杖の“言葉の裏”に隠された意味は分かる。
けれど、その言い方じゃ……!
「あの」
やがて、華が口を開く。
「さっきから、“天使”と話してますか? それとも私?」
そして、華はギュッと眉を寄せて顔を顰めた。
「――不愉快です」
* * *