夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第16章 束の間 奏でるクリシェ【仇名/直接会談】
具合が悪いと言って華と席を変わった虎杖が、どういうわけかバッと大きく開くため、伏黒は驚いて思わずビクッとしてしまった。
……何やってんだ、アイツ。
そう思ったのも束の間、何やらパタパタと手を動かし、ジェスチャーを始める。
だが、何が何やらさっぱり分からず、伏黒は渋面を作るしかなかった。
隣では、詞織が考えすぎて逆に目をぐるぐるさせて混乱している。
さらに星也も理解の範疇を超えているのか、能面のように表情が抜け落ちていた。
そこで、不意に詞織がハッと顔を上げ、華を見る。
「ん? どうかしましたか、詞織?」
「ううん、何でもない」
慌てて首を振る詞織の様子に、一拍遅れて伏黒と星也も思い至った。
わざわざ華と席を変わったのだ。彼女に聞かれたくない話なのだろう。
いや、【堕天】の話が出た途端のこの奇行だ。華というよりは“天使”?
待て、【堕天】⁉︎
ジェスチャーを続ける虎杖をバッともう一度 見る。そのタイミングは図らずも詞織や星也と同じだった。
自分がどういう表情をしているのか。それすら分からないほどの衝撃。
目が合った虎杖は、うんうん と何度も頷く。