夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】アンケート開催中
第15章 わずかに見えてきたスペランド
風呂を終えた詞織は、再び虎杖や星也たちがいる男子部屋を訪れていた。
伏黒が眠るベッドの枕元に膝をつき、何をすることもなく見守る。
「詞織、部屋に戻らないんですか? 星也に休むよう言われてますよね」
「……まだ、いい……ここにいる」
どうして、一緒にいなかったんだろう。
伏黒がこんな状態になる前に、何かできることがあったのではないか。
分かっている。
あのマンションでの戦いは、手分けをするのが最善だった。
それでも、そう考えずにはいられなかった。
―― 一番 必要なときに、傍にいてあげられなかった……。
「……メグ……起きて……」
伝えたいことがたくさんある。
津美紀が目を覚ましていること。“天使”が協力してくれること。総則追加のための得点が集まっていること。
――ううん。伝えたいことなんてなくてもいい。
ただ傍にいて、他愛のない言葉を交わして温もりを感じられれば……。
そんなことを考えていると、華が隣に腰を下ろした。
「あなたにとって彼は、大切な人なんですね。私にとっての星也のように」
「……華は……兄さまのことが好きなの?」
恋愛事に疎くとも、華の星也への好意は さすがに見ていれば分かる。
「えぇ」
「どうして? 会ったばかりでしょ?」
詞織の言葉に彼女は膝を抱え、何かを思い出すような切ない表情でこちらを見てきた。