夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第11章 アディラートに奮い立つ【東京第1結界】
「俺たちはもうこの結界に用はない。退くなら見逃すぞ」
そう言いながら、伏黒は影の中から刀の呪具を取り出す。伏黒の言葉に、レジィは「はぁ⁉︎」と苛立ちを見せた。
「どの立場で言ってんの? オマエが殺した針の分は回収するよん」
戦闘は避けられないか。
だったら 別にいい。コイツらの点も回収するだけだ。
「詞織、と……アンタ」
「髙羽よ♡」
「髙羽、メグと近い。離れて」
詞織が伏黒の腕を引き、髙羽と距離を取らせる。
「呪霊の女と爆弾野郎を殺すなら……できればでいい。その前に持ち点を奪ってほしい」
「ん、分かってる」
躊躇いなく頷く詞織を一度 抱きしめ、「ごめん」と耳元で謝罪を口にした。
「謝ることじゃないでしょ。最初からそのつもり」
そう言って、詞織は瓦礫から起き上がる黄櫨と、特級呪霊を連れ、警戒するようにこちらを睨む かや子に向き合う。
「OK、少年。キミのお願い、しかと引き受けた。だが、オレは芸人だ。人から一生 笑顔を奪う真似はせん‼︎」
「……勝ってくれれば 何でもいい」
ぼそりと呟き、伏黒はレジィと対峙した。
少し離れた位置で、真っ先に髙羽 対 黄櫨戦が勃発する。
初手、黄櫨が目玉を打ち出した。それを髙羽が「たまや!」と叫びつつ、どこかから取り出したハリセンで打ち返す。
「物騒な術式だなぁ!」
髙羽は黄櫨に迫った。黄櫨の拳を軽く受け止め、代わりに顔面へハリセンによる一撃をお見舞いする。
一歩 退いて髙羽を睨む彼の自ら抉った目はすでに復活していた。