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夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】

第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】


「若いね、キミ。まだ学生でしょ? 本官が保護してあげようか?」

「不意打ちで襲ってくる人、信用できない」

 詞織は短剣型の呪具を取り出して構える。飛び道具――あれも呪具か? どちらにしても相性が悪い。

 詞織の術式は本来、前衛をサポートすることで真価を発揮する。

 その理由の一つが、発動に『歌う』必要があるため、隙ができやすいことだ。それは和歌でも同じ。

 歌う場合は大きなタメが必要。

 和歌は初句で発動し、二句以降の詠唱で効果が高まり、五句の詠唱で最大威力が乗るというシステム――だが、その初句の詠唱はどうしても隙になる。

「ふぅん。キミ、普通の初心者じゃないね。かなり落ち着いてるし、だいたいの人は本官を頼って来てくれるんだけど」

 初心者――あぁ、そういうことか。

 結界の転送システムは総則にない。その現象に動揺した泳者を狙う、初心者狩りをしているのだ。

 さらに、【死滅回游】に巻き込まれて不安になっている者たちに近づき、得点を稼いでいたのだろう。警官の制服は“善意の皮”として効果的だ。

 おそらく術師――殺せば5点。
 100点稼げば、津美紀の救出に近づく。

 ルールを追加できても、得点は必要だ。

 点数に端数があるということは、この男も非術師も手にかけている。なら、津美紀を助けたい自分がコイツを殺したっていい。
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