夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第9章 そして始まるアンシオーソ【結界/東京第1結界】
『この結界の中では、【死滅回游】って殺し合いのゲームが開催中だ‼』
『一度 足を踏み入れたらオマエらも泳者!』
――それでもオマエらは結界に入るのかい⁉
「あぁ、問題ない」
「そのために ここに来た」
参加意思の確認をすると、コガネが詞織と伏黒の前に降りてくる。
思い詰めた表情をする伏黒の呪力が、重たく立ち昇っていた。焦っているのだろう。
「メグ、大丈夫。一人でやらなくていい。わたしも、ユージも、皆もいる」
詞織が袖を引くと、彼は一度 目を丸くし、フゥ…と自分を落ち着かせるように息を吐き出した。
「行くぞ」
「応!」
「うん」
コクリと互いに顔を見合わせて頷き、詞織たちは結界内へ足を踏み入れる――と、詞織は瞠目した。
上空から真っ逆さま……このままではビルの屋上に叩きつけられる。
「――【風はやみ 雲のひとむら 峰こえて 山みえそむる 夕立のあと】」
強い風が吹き、詞織はビルの屋上に着地した。
伏黒と虎杖の姿がない。
隣り合わせで結界に入ったのだ。はぐれたわけではない――とするなら、これは【死滅回游】の何かしらの作用。
「コガネ、説明」
『【死滅回游】の結界は、侵入した泳者を設定された九つの地点にランダムで転送するよ』
「転送……」
【死滅回游】の総則にそんな項目はない。なら、これは結界にまつわるもの、ということか。