夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第8章 覚悟が回すスターホイール【熱~東京第一結界】
時は少し遡り、伏黒たちが綺羅羅と接触する少し前――綺羅羅に案内され、虎杖はモニタールームへ入った。
大音量で流れる激しいロックを聴きながら、一人の男がソファに大きく座り、いくつものモニター画面を観ている。いや、観ているというよりは、たまたま視界に入っているという方が正しいか。
ところどころ途切れた細い眉と、後ろに撫でつけられた金髪が特徴の強面の男。
――コイツが秤 金次。
乙骨の言う通り、確かに強い。そこまで近づいたわけではないのに、存在感がヒシヒシと伝わってくる。
「虎杖」
低い声音に名前を呼ばれ、虎杖は足を止めた。
「『一日一時間、あることをするだけで月収百万円に……!』って、言われたら信じるか?」
「……ん?」
何を言われたのか分からず、虎杖は首を傾げる。
「それは『あること』次第だろ」
単純に、自分にやれることで それだけ稼げるならやる。
けれど、それが たとえば殺しや盗みのような犯罪なら絶対にやらない。それは人として、絶対にやってはいけないことだ。
「だが、その『あること』を知るには二十万の情報教材を買わなきゃならん」
「えぇ⁉︎ それは信じらんないなぁ……」
何これ。俺、今から騙されんの?
思わず距離を取ろうとする虎杖に、男――秤はフッと鼻で笑った。