夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第7章 彼が求めるフリオーソ【潜入/熱/きらきら星/部品】
伏黒が詞織と裏口である人物(?)を待っていた。
木の幹に背を預け、被っていたパーカーを下ろす伏黒に対して、詞織は伏黒の頭上にある木の枝に腰を掛け、帽子のツバを少し横にずらして視界を広げている。
そこへ、「お、いたいた」とフサフサとした身体を揺すりながらパンダがやって来た。
「パンダ先輩」
「パンダくん」
伏黒と詞織の声が揃う――と、頭上から「メグ、メグ」と名前を呼ばれる。見上げるのと同時に、詞織がフワッと飛び降りてきた。
「詞織……!」
慌てて腕を広げ、詞織を受け止める。
――やば、天使が降りてきたかと思った。
反射的にギュッと抱きしめると、すぐに視線を感じてバッと離れる。
「あ、お構いなく」
ニヤニヤと笑いながら手を振るパンダに舌打ちが出そうになるも、どうにか堪えた。ここで何を言ってもネタにされるだけだ。
「パンダ先輩のおかげで、虎杖が秤さんと接触できそうです」
「お、そうか。やられてやった甲斐があったな」
かなりわざとらしかったがな。伏黒も試合は観ていたが、バレないか不安になるほどの大根役者ぶりだった。
「でも、パンダくんはどうして秤さんと会えてないの? 顔見知りでしょ?」
「居場所は分かってんだけどなぁ」
パンダの話によれば、秤がいるのは屋上にあるモニタールームで、基本 そこから動かない。だが、どういうわけか近づけないのだそうだ。