第2章 幻術師の甘い檻:カエル帽子の下の熱
ヴァリアーの基地、フランの自室。
いつもは「ミーの部屋なんて何もないですよー」なんてかわしている彼が、今日は珍しく私の手を引いて、自分のテリトリーに招き入れた。
「……あの、フランくん? 急にどうしたの」
扉が閉まると同時に、背後から抱きしめられる。
トレードマークのカエル帽子が脱ぎ捨てられ、彼の柔らかい髪があたしの首筋をくすぐった。
「どうもしないですよー。……ただ、ずっと我慢してたのが限界になっただけですー。先輩たちのいないところで、たっぷり可愛がってあげようかなーって」
いつもの抑揚のない声。
けれど、耳元に触れる吐息は驚くほど熱い。
彼はあたしをくるりと自分の方へ向かせると、無機質で綺麗な瞳を細めて見つめてきた。
「……逃げても無駄ですよー。ここはミーの幻術の中みたいなものですから」
そのまま、吸い付くようなキスを落とされる。
最初は冷たい唇が、触れ合うたびに熱を帯びていく。
あたしを支配しようとするような、深く、絡みつくような舌の動き。
「ん、っ……ふぁ……ふ、らん……っ」
「そんな声出すんですかー。……もっと困らせたくなっちゃうじゃないですか」
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