【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第4章 ✼••┈••✼知らない間に✼••┈••✼
そんな二人の姿に、冷ややかな目線を向けている者がいた。
「……蓮……。」
孤蘭はまだ乱れた呼吸のまま、顔を紅潮させてその名前を呼んだ。
「…………。」
蓮は孤蘭に返事をしないで、腕を組んだまま、二人への視線を変えずに立っていた。
「あ、蓮。ちょっと丹壺持って来てよ。」
牡丹は蓮の表情を気にしないで、隣の部屋を指して言った。
「…………。」
黙ったまま蓮が動いて、彼が手に持ったのは丹壺ではなくて孤蘭だった。
ズリッと牡丹のモノが孤蘭の中から抜けて、牡丹から孤蘭の温もりが離れていった。
そして蓮は孤蘭を抱き上げると、そのまま牡丹に背を向ける。
「え?無視?」
牡丹がそう言うと、蓮は静かに振り返った。
そして冷たい視線で牡丹を一瞥すると、牡丹からブワッと冷や汗が出た。
(あ…これバレてる…。)
蓮の視線で全てを察した牡丹は大人しくなって、連れて行かれる孤蘭をただ見送った。
蓮を怒らせたら怖い。
天仙達の共通認識だ。
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