【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第19章 ✼••┈••✼未極楽へ✼••┈••✼
だけどその瞬間は一瞬で訪れる。
菊花と桃花のタオが消滅する。
それを感じた瞬間に孤蘭の体は崩れ落ちた。
「あ……嫌だ…菊花…桃花……、逝かないで……。」
もう天仙の消滅は孤蘭にとって死と同列だった。
もう二度と会えない。触れられない。あの声を聞けない。
自分が逝く前に、もう一度だけでも会いたかった。
お別れを言うのは自分だと思っていたのに、見送るのがこんなに苦しいことなんて知らなかった。
蓮たちはこの気持ちを『孤蘭』で、何度も何度も味わったのだ。
彼らが『孤蘭』に執着する理由が分かった気がした。
「……ダメだよ…私を残して逝かないで…。」
孤蘭がそう言って顔を上げると、いつもの漢服より敷居の高い、道教仙人の装飾を混ぜ正装をしている蓮が部屋に入って来た。
「…… 孤蘭…行こう…。」
「…蓮…どこに?」
孤蘭の目からは大粒の涙が流れていたのに、孤蘭に向ける蓮の顔は見たことがないくらいに幸せそうな笑みを浮かべていた。