【地獄楽】✼••極楽へ至らぬ者たち••✼【R指定】
第9章 ✼••┈••✼夫を娶る✼••┈••✼
氣を辿って着いたのは瀛州(えんしゅう)の森の中だった。
比較的蓬莱(ほうらい)の外門にも近い。
あれは…そう。
牡丹(ムーダン)が作った外丹花(ワイタンファ)を引き詰めた丹を作る穴だ。
あの穴に落とされる人間は生きたままだ。
その穴から人を背負って出てきた男。
孤蘭が感じた捻れた氣(タオ)の持ち主。
「……素敵。」
孤蘭は弟の桐馬を庇うようにして背負って穴から出てきた亜左弔兵衛を見て呟いた。
どうせ夫を娶るのだったら、誰かを守れる人がいい。
孤蘭はしばらく二人の様子を見ていた。
二人は兄弟なのだろう。
桐馬は弔兵衛を兄さんと言っていた。
家族や兄弟には共感が持てた。
蓬莱では、みんなが優しい兄で父でもあったから。
夫や恋人という感情よりも大切さがよく分かる。
孤蘭が共感を得ながら見ていると、弔兵衛は外丹花の腕を千切り食べようとしていた。
いや、あれ食べ物じゃない。
桐馬も慌てているが、孤蘭も思わず声を出してしまった。