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幻想遊園地

第2章 天使の絵


山間の光は時とともにその大きさを増し、光は天使と彼とそして全てに舞い降りた。それは風景を仄白く燃え立たせ、あまねく存在(もの)に、朝の到来を告げる。

彼が、そっと口を開いた。

「何モ変ワラヌカ⋯。」

また、一息おいて続けた。

「天ノ、使イ、ヨ。我レハ生マレ出ヅルコトヲ、誇リニ思ウゾ、コノ時、コノ地ニ在レタコトニ満足ヲ覚エルゾ。
 モシモ、叶ウモノナラバ、次モ、コノ地ニ、生マレ出ヅル⋯コ⋯ト⋯ヲ⋯」

瞳が輝きを失い、彼は目をゆっくりと閉じた。
天使はその閉ざされた瞼をそっと掌で撫でる。
今や彼の体は力なく横たわり、生命の鼓動は、消え入ろうとしていた。

天使は、独り呟いた。
「あなたの願いは、叶わないわ。もう、ひとつの世は終わりを告げたのだから。」

天使は彼の魂を手に、ひとつ、大きく翼を羽ばたかせる。
ふわりとその純白の身体を浮かび上がらせ、天高く、天高く飛びたっていった。

彼の骸を、後世において『竜』と呼び称される一族の最後の骸を、後にして。
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