かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】
第1章 かぐや姫は好きな人に自力で会いに行く!!
「ただいまヨ〜! 銀ちゃん、定春が姉御の家の壁を食い破って大変だったネ!」
「銀さん、おはようございます……って、うわあああああ!?」
万事屋の扉が景気よく蹴り開けられ、神楽と新八がなだれ込んできた。
そして、彼らの視線が、万事屋の布団に座る浮世離れした美女・と、壁際に追い詰められて顔を赤くしている銀時を捉えた瞬間、室内の温度が氷点下まで急降下した。
「……ぎ、銀さん。……この方は?」
「銀ちゃん……お前、ついに一線を越えたネ。こんな綺麗な姉ちゃんを拉致してくるなんて、万事屋の看板に泥を塗ったアル。万死に値するネ!」
「待て! 違う! 誤解だ、これには深い訳が……ぶべっ!?」
説明する間もなく、神楽の怒りの拳と新八の鋭いツッコミ(物理)が銀時を襲う。
居間は一瞬にして修羅場と化した。
「っ!?……やめて、ください!」
その鋭くも悲痛な叫びに、神楽の拳が止まった。
が、銀時を庇うようにその前に立ちはだかっていた。
彼女の黄金の瞳は、今は激しい動揺と、そして隠しきれない悲しみに揺れている。
(……この子たちは? それに、"姉御"……?)
彼の側にいたのが自分だけではない事と、自分を知らぬ間に築き上げていた賑やかな日常。
それを目の当たりにしたの胸には、鋭い棘が刺さったような痛みが走る。
けれど、彼女にとって何より耐えがたかったのは、愛する男が傷つけられることだった。
「乱暴をしないで。彼は、私を助けてくれただけです」
「……助けた? でも、銀さんのことだから、どうせ何か良からぬことを……」
新八の言葉を遮るように、は一歩前へ出た。
その凛とした、けれどどこか儚い佇まいに、神楽たちも思わず気圧される。
「私が……自ら彼を探し、ここに参りました。誰に頼まれたわけでもありません。ただ、私が……私の心が、彼の側にいたいと願ったのです」
「「…………え?」」
新八と神楽は、石像のように固まった。
「……え、自分から? 銀ちゃんを? 探しにきたアルか?」
「嘘だ……。あの、すいませんお姉さん。目が悪ければメガネ貸しましょうか? それともどこか頭でも打たれましたか?」