かぐや姫だって幸せになりたい!!【銀魂 坂田銀時】
第4章 彼はかぐや姫を取り戻したい!!
「だろ? 月の霞食ってるより、美味くて最高だろ」
銀時は自分の肉をの皿に放り込みながら笑った。
「はい! 私、このお鍋……大好きです。皆さんの声を聞きながら、こうして笑って食べるご飯が、世界で一番のご馳走です」
が箸を握りしめ、涙を浮かべながら満面の笑みを浮かべる。
その笑顔を見て、神楽も新八も、お妙でさえも、自然と顔を綻ばせた。
「これから家計が大変になるネ。も、私くらい大食いになる予感がするヨ」
「定春の餌代に加えてさんの食費か……。銀さん、明日から真面目に働かないと本当に詰みますよ」
「分かってるよ! 明日から本気出す! ……今日は、この一千年分のご馳走を、最後の一滴まで堪能するんだよ」
窓の外では、江戸の夏の夜風が、風鈴の音を運んでくる。
二本の簪を並べて髪に挿し仲間たちと肉を奪い合うの姿は、もうどこからどう見てもこの地上の住人そのものだった。
一千年前の約束は、最高に騒がしくて、最高に美味しい鍋の味と共に、ようやく果たされたのだったーー。
後日、屯所の門を潜るなり、銀時は不機嫌を隠そうともせずに後頭部を掻きむしった。
「いいか、あいつらは公務員っつー名の野蛮人集団なんだ。菓子折りなんて渡した瞬間に指まで食われるぞ。だから言ったんだ、俺が代わりにポテチ一袋置いてくりゃ済む話だって……」
「ダメですよ、銀さん。命がけで助けてくださったんですから。……それに、皆さんにはちゃんとお顔を見て『ありがとう』を伝えたいんです」
は腕に抱えた菓子折りを大事そうに抱え直し、銀時に柔らかな微笑みを向けた。
屯所に入れば、案の定、暑苦しい男たちがどっと押し寄せてきた。
「さん! 無事で何よりだ! いやぁ、人間に戻られたそうで。今度ぜひ、真選組の婚活パーティーに……」
「近藤さん、ストーカーゴリラが移るから離れて。お礼なんて別にいいのによ」
土方や近藤が賑やかに迎え、沖田は銀時に向かって「旦那ァ、まだ生きてたんですか。月へ片道切符で送ってあげたのに」と毒を吐く。